家族性腎臓疾患(Familial kidney disease)

家族性腎臓疾患
いくつかの犬種は、遺伝すると証明、または推測されるさまざまな腎臓病に罹患することが知られています。
これらの疾患の多くでは、腎臓は出生時には明らかに正常ですが、若齢(1歳以下)で悪化し始めます。
腎臓における根本的な原因は犬種により異なりますが、結末は同じです。
進行の度合いと重症度は、犬種と個体によって異なりますが、一般的には5歳までに腎不全を起こします。
これらの疾患の多くにおいて、遺伝であることは証明されていません。
遺伝と考えられている場合、”遺伝性(hereditary)”、遺伝形式は判明していませんが、疾患が偶然と予測されるよりずっと一般的に、血縁関係のある犬達に発生する場合、”家族性(familial)”という言葉が使われます。
BMDでは”家族性糸球体腎炎(familial glomerulonephritis)”が認められます。
常染色体劣性遺伝と考えられています。
 

臨床的特徴(症状)
腎不全の症状は老犬と同じです。
気付くことのできるもっとも初期の症状は多飲多尿です。時々子犬においては、オーナーはただトイレのしつけに時間がかかっていると考えるため、そういった多尿に気付かないかもしれんせん。
ますます多くの腎臓の機能を失うと、食欲不振、体重減少、無気力、嘔吐、貧血による歯茎の色の悪化が発現してきます。
進行は治療により遅らせることができるかもしれませんが、結局、腎不全は致命的です。
これらの疾患のほとんどで、犬は1歳前に腎臓の機能不全の兆候を見せ、そして彼らの腎臓は5歳前に損なわれます。
非常に若い年齢(5,6ヶ月以下)で罹患した子犬では、成長が著しく妨げられるかもしれません。

診断
上記の症状は心臓や肝臓の欠陥のような他の遺伝疾患においても認められます。
獣医師は血液検査と尿検査を行い、それによって問題の原因として腎臓を指摘するでしょう。

治療方法
治療法は全くありませんが、腎臓疾患の進行を遅らせる方法があります。その方法について獣医師はオーナーと話し合うでしょう。
これらはあなたの犬がいつも新鮮な水を飲めて、特別な食事(高品質で低たんぱく質)を与えられること、そして腎臓の機能をサポートすることを助ける数種類の薬の使用を確認することを含みます。
獣医師は、あなたの犬の腎臓が安楽死が最良の選択肢になる状態まで悪化したというサインを認めるのを助けるでしょう。

繁殖について
罹患した動物を繁殖すべきではありません。そして彼らの両親についても繁殖するべきではありません。


References:

Crook A, Hill B and Dawson S  Canine Inherited Disorders Database(
www.upei.ca/cidd), copyright 1998; Sir James Dunn Animal Welfare Centre (Atlantic Veterinary College, University of Prince Edward Island,
Canada)  and the Canadian Veterinary Medical Association.



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