小脳アビオトロフィー(Cerebellar
abiotrophy)
小脳アビオトロフィー、小脳変萎縮症
小脳は動きの調整と同調を司る、脳の部分です。
小脳の細胞は通常誕生前に成熟します。しかしこの疾患では、その時未成熟で劣化し、協調運動とバランスの不足に関した症状を引き起こします。
小脳のプルキンエ細胞が主として関わっています。脳の他の領域の細胞もまた影響を受けるかもしれません。 ※プルキンエ細胞:小脳の主要な神経細胞、運動機能を司る
臨床的特徴(症状) 小脳は随意運動の制御と同調を司る脳の部分です。
罹患犬における小脳機能障害の臨床的特徴には、不十分なバランス、ワイドベーススタンス(足の位置がかけ離れている)、こわばっているかまたは高くステップしている歩様、足のある部位に関する認識の明らかな不足(立っている、また歩いている時のナックリング:足裏でなく足の甲が地面に付く)、頭や体の震えがあげられます。
これらの症状はすぐか、もしくはゆっくりと悪化します。
罹患犬は、階段を上ったり、立ったりすることが支えなしにはできなくなるかもしれません。
彼らは正常な覚醒状態を持ちます。
脳の他の部分もまた罹患すると、振る舞いの変化(躾ができない、攻撃性)、混乱、盲目、発作のような症状をみせるかもしれません。
遺伝形式
常染色体劣性遺伝が確認されているか、強く疑われています。(犬種による)
イングリッシュ・ポインターでは小脳性運動失調が伴性遺伝です。
バーニーズの疾患はPostnatal cerebellar
abiotrophyです。
小脳細胞は誕生時には正常で、その後、可変的に退化し始めます。
症状は生後6ヶ月齢までに現れます。
診断
これは稀な疾患です。
臨床的特徴は、特にそれらがアビオトロフィーで知られている犬種において見られるのなら、小脳疾患が示唆されます。
獣医師は同様の症状を引き起こすことのある他の疾患を除外するための検査をするでしょう。
治療方法
この疾患のための治療はまったくありません。
犬はこの疾患から回復することはなく、通常何らかのポイントで(症状の悪化の程度による)安楽死が最良の選択になります。
繁殖について
罹患犬、その両親(carrierである)、および同胎(carrierの疑い)は繁殖に使うべきではありません。
References:
Crook A, Hill B and Dawson S Canine Inherited
Disorders Database(www.upei.ca/cidd), copyright 1998;
Sir James Dunn Animal Welfare Centre (Atlantic Veterinary College,
University of Prince Edward Island,
Canada) and the
Canadian Veterinary Medical Association.
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